一度は諦めた夢を叶えるために

室戸市では大型定置網漁業が盛んですが少子高齢化で後継者不足が深刻になり、現在では市外からの受け入れを積極的に行っています。
漁業の新たな担い手の一人として移住してきた、簑手啓(みのてけい)さんは徳島県出身で大阪動植物海洋専門学校を卒業後、三津大敷組合で働く21歳の若手漁師さんです。

簑手さんは子供のころから、近くの川で魚を獲って遊ぶのが大好きな少年だったそうです。
将来も魚と関わりたいという想いから水産系の高校に進学し、そこで定置網漁業の体験をすることになります。
この時の経験がとても楽しく印象に残り “この仕事がしたい” と思ったそうです。
しかし、このことをご両親に相談してみたところ反対され、一旦は諦めました。
高校卒業後は他の方法で魚と触れ合えるということで「大阪動植物海洋専門学校」へ進学。
水族館関係の道を進み始めます。
ところが、インターンとして「むろと廃校水族館」を訪れたとき、館長に高校のころ夢見ていた定置網漁業への興味を打ち明けたところ三津大敷組合を紹介してもらったことで一度は諦めた漁師への夢が再燃したのです。
この時はご両親も賛成してくれ、晴れて漁師という夢が叶いました。

 

Q.室戸に移住してきて良かったことは何ですか?

海だけでなく川も近く夏はすぐ泳げるなど遊びが充実しているところです。

Q.移住してきて生活で困ったことは何かありますか?

専門学生のころから大阪で一人暮らししていたので特に困ったことはないですね。
高校生の時に魚をさばく実習や干物づくりも経験しているので問題なく自炊できますよ。
最近は仕事で疲れて面倒だからお惣菜を買ったりもしますけど…!

Q.移住する前に調べておいた方がいいことはありますか?

自分の場合は、引っ越す前に三津大敷組合の漁師さんに色々と質問したりアドバイスをもらっていたので引っ越してから困ることもなかったんです。
引っ越す前に地域の人たちと関わりが持てると心強いと思います。

Q.移住して生活面はどう変わりましたか?

学生のころは23~0時くらいの遅くまで起きてましたが今は職業柄、寝るのが早いです。
あとは、前は家で過ごすことが多かったように思いますが、今は車があるので友達と一緒に遠出するようになりました。
高知市内まで行って映画見たりしたこともありますよ。

漁師の仕事は、覚えることも多く、ついていくのに精一杯の毎日ですが、何種類の魚がどれだけ水揚げされたかを見る瞬間が一番の楽しみだそうで充実した漁師生活を送っているそうです。

 

【簑手さんからメッセージ】

室戸では人との繋がりが大切で近所のお年寄りがとても親切にしてくれます。
野菜を持ってきてくれたり、食事に招いてくれたり。
そこに甘えてばかりではなく、自分ができることは手伝うようにしてお返しすることも大切だと思います。

 

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