子供の頃に遊んだ場所を残したい
室戸市の西山地区という場所があります。
この地区は台地の上にあり、下からは伺うことが出来ませんが一面、畑が広がっていて農業が盛んに行われています。
2011年に京都府宇治市からこの西山地区に移住されて農業を営んでいる小松毅士(こまつたけし)さん。
足掛け9年のベテラン移住者さんです。
小松さんは叔父の弘之(ひろゆき)さんの後継者として単身移住されました。
移住を決めたのは、弘之さんに後継者がいなかったという事もありますが、子供の頃に遊んだ場所がなくなってしまうのはイヤだな…という思いが大きかったそうです。
弘之さんが経営する農家は少量多品種栽培で、その季節に合わせて少しずつ色々な種類の果物や野菜を作って出荷されています。
取材当時(1月)は果実メインで作業されていました。
デコポン・せとか・なつみ・ポンカン・文旦などなど、少しずつ時期が違うものを栽培しているそうです。
また、マニュアルに頼らず、その時の気候の変化など様々な要素を考慮しながら肥料のバランスや量などを常に試行錯誤をしているとおっしゃっていました。
果実によって被せる袋も違うという事には驚きました。
紙袋もあれば “サンテ” と呼ばれるストッキングのようなものも・・・。
一つ一つ大切に育てている様子がうかがえます。
場所は変わって倉庫のようなところへ。
中に入るとオレンジ一色の景色が広がっていました。
なんとこれは全てポンカン。
あまり知られていないかもしれませんが、ポンカンは収穫してからすぐには食べません。
しばらくこうやって寝かせることで熟成し甘みも増すのだそうです。
この工程を予措(よそ)と言います。
何でもかんでも採れたてが一番ということではないんですね。
予措が終わるとサイズを選り分ける作業になります。
一つ一つ手作業で大切に扱われていました。
小松さんは農業に関わり苦手な野菜がポリポリ食べれるようになったそうです。
また、考えることが多く大変だけれども自分だけのビジネスモデルと農業を通じて人との繋がりを見つけることができるので、それが農業の魅力です、とおっしゃっていました。
【小松毅士さんからのメッセージ】
室戸に来てやりたいことをやれてるし、たくさんの素敵な人に会えた。
皆が親切で優しく協力してくれているから、やりたい事をやれてる。
そして、これからもやりたい事を増やしていきたい。
※小松さんの作った果物や野菜は「キラメッセ室戸」で購入することが出来ますよ!