室戸を活気づけたい!
令和元年12月に埼玉県から地元である室戸市にUターン移住をしてきた舛田清隆(ますだ きよたか)さん。
埼玉県では、古紙の卸売り業者の取締役と運送会社の社長をしていたそうです。そんな舛田さんが移住を考えたのは、経営後継者研修を東京で受けていたときでした。勉強をするなかで新しいことをしたいと考えていたとき、テレビで廃棄野菜を使ってウニを養殖しているのを見たそう。地元の室戸ではウニの漁業権がなく、畑もあるから自分で野菜を栽培すれば仕入れコストはほぼゼロ、海洋深層水があるので陸上養殖ができる。将来人口が増え食糧難になる未来を見据え、陸上養殖をしたくなったそうです。新しい事業部を立ち上げたかったのですが、周りには反対をされました。お嫁さんのお母さんに相談したところ「男に生まれたなら夢に挑戦しなさい」「人生は一度きりだから」と背中を押してくれたそうです。その言葉で移住を決心した舛田さんは、室戸で地域おこし協力隊として勤務しながらウニの養殖を始めました。海上と海洋深層水を使った陸上養殖を試してみましたが、「身入りはよくなるが、個体差がある」「おいしくない」と思うようにいかず、5ヵ月ほどでやめてしまいました。
それから3~4ヵ月後、一次産業者が加工と販売を行う、六次産業をやっていこうと地域おこし協力隊をやめて、吉良川で販売所兼事務所の「清丸海産」を開店しました。漁業権のいらないツベタカという巻貝を獲る、室戸で唯一の漁師になったのです。またその3ヵ月後に漁協組合員になり漁業権を取得し、ナガレコ(トコブシ)も獲るようになりました。現在は自分で獲った貝や加工品をネットで販売しています。
そんな舛田さんに、室戸を選んだ理由を聞くと「地元で母親が一人でいる」「マグロ漁全盛期に比べると活気がない、そんな室戸を活気づけたい。」と答えてくれました。室戸に来て困っていることを聞くと「若い子たちのコミュニティーがない」「商売したい方がすぐに使える居ぬき店舗がない」「Wi-Fiが脆弱」、そして良かった所は「可能性がたくさんあり、挑戦のしがいがある」「近所付き合いが親密」「食べ物がおいしい」「テレビに出られた(笑)」と教えてくれました。現在、埼玉県にお嫁さんと子ども4人がいる舛田さん。「コロナ禍で家族になかなか会えないのはつらいけど、仕事を応援してくれている家族のために、失敗するわけにはいかん」と語ってくれました。
家族のために離れて一人で頑張っている舛田さんを応援していきたいです。